膠芽腫の増殖を制御する新たな仕組みを解明【東京大学】

 近年の研究により、腫瘍を構成するがん細胞は多様性をもっており、異なる性質を持つがん
細胞が互いに密接に連携することで腫瘍の薬剤耐性や進展、浸潤に寄与していることが明らかとなっています。その中でも「がん幹細胞」と呼ばれる細胞が腫瘍を形成する強い能力(造腫 瘍能)を持っていることがわかってきました。
 今回、東京大学定量生命科学研究所の秋山徹特任教授、同大学大学院理学系研究科の船戸洸佑大学院生(研究当時)らは、同医学部附属病院の脳神経外科より提供された最悪性脳腫瘍「グリオブラストーマ」の検体を、がん幹細胞を維持した状態で培養(グリオブラストーマ幹細胞) し、その未分化性の維持、増殖に重要な遺伝子のスクリーニングを行い、得られた遺伝子の機 能解析を行いました。その結果、1)脱アセチル化酵素 SIRT2 がグリオブラストーマ幹細胞の 造腫瘍性の維持や増殖に必須なこと、2)SIRT2がp73を脱アセチル化して、p73の転写活性 を抑制することが腫瘍形成に重要であることを明らかにしました。
 本研究成果により、今後、SIRT2を標的とした薬剤の開発が進み、脳腫瘍の治療に貢献することが期待されます。

 

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