消化性潰瘍例、ピロリ除菌は早い方がいい

 消化性潰瘍の診断後は、7日以内にHelicobacter pyloriH. pylori)除菌治療を施行すべきかもしれない。スウェーデン・ Karolinska InstitutetのEmma Sverdén氏らは、消化性潰瘍の診断後7日以内にH. pylori除菌治療を行った人に比べ、それ以降に行った人では再発や胃がんのリスクが高まるとGastrointest Endosc(2018; 88: 242-250.e1)に発表した。

8〜30日の遅れでもリスクが増加

 H. pyloriに感染すると、時間の経過とともに胃の内壁または小腸に潰瘍を来し、消化性潰瘍からがんに至る疾患が引き起こされる可能性がある。Sverdén氏らは、H. pyloriに起因する消化性潰瘍と診断された患者において、除菌治療の遅れがさまざまな疾患の発症にどのような影響を及ぼすかを調べた。

 同氏らは、スウェーデンの人口ベースの全国コホートから2005〜13年に消化性潰瘍の診断後にH. pylori除菌療法を受けた2万9,003人を抽出。診断から除菌治療までの経過期間を①7日以内②8〜30日③31〜60日④61〜365日⑤1年以上−に分類し、Cox回帰分析により消化性潰瘍の再発や胃がんのハザード比(HR)を求めた。

 その結果、消化性潰瘍の再発は7日以内の除菌治療と比べて、31〜60日で2倍であった。7日以内の除菌治療に対するHRは8〜30日で1.17(95%CI 1.08〜1.25)、31〜60日で2.37(同2.16〜2.59)、61〜365日で2.96(同2.76〜3.16)、1年以上で3.55(同3.33〜3.79)であった。

胃がんリスクは1年後で4倍以上

 複雑な潰瘍を発症するリスクは7日以内の除菌治療と比べて、31~60日で3倍、1年以上で6倍以上増加した。また、胃がんのリスクは61~365日で3倍以上、1年以上で4倍以上に上昇した。

 今回の結果から、消化性潰瘍と診断された後のH. pylori除菌治療の遅れは、診断後8〜30日であっても再発リスクの増加と関連しており、速やかな除菌の重要性が示唆された。Sverdén氏らは「H. pylori除菌治療の遅れは複雑な潰瘍や胃がんのリスクを高め、そのリスクは経時的に増加する」と指摘している。

(木下愛美)

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