未治療の非扁平上皮NSCLC、アテゾリズマブ併用でPFS延長

化学療法+アテゾリズマブで病勢進行リスクを40%低減:IMpower132

 ステージⅣの非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対する一次治療において、化学療法(プラチナ製剤+ペメトレキセド)に抗PD-L1抗体のアテゾリズマブを追加することで、無増悪生存期間(PFS)を延長したことが第Ⅲ相オープンラベルランダム化比較試験IMpower132の結果から明らかになった。同試験では、化学療法のみの対照群と比べて、化学療法にアテゾリズマブを追加した群で病勢進行リスクが40%低下したという。米・University of Texas MD Anderson Cancer CenterのVassiliki A. Papadimitrakopoulou氏が第19回世界肺癌学会議(WCLC 2018、9月23~26日、トロント)で報告した。

試験対象の4分の1がアジア系

 IMpower132の対象は、化学療法歴がないステージⅣの非扁平上皮NSCLC患者578例。上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異およびALK遺伝子転座変異陽性の患者は除外された。対象をプラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)+ペメトレキセドによる化学療法にアテゾリズマブを追加する群(アテゾリズマブ群、292例)とプラチナ製剤とペメトレキセドによる化学療法のみを実施する群(対照群、286例)にランダムに割り付けた。アテゾリズマブ群では導入療法においてアテゾリズマブ(1,200mg)とプラチナ製剤〔カルボプラチン血中濃度曲線下面積(AUC6)mg/mL/分またはシスプラチン75mg/m2)+ペメトレキセド(500mg/m2)を3週ごとに投与する治療を4サイクルまたは6サイクル施行後に、維持療法としてアテゾリズマブとペメトレキセドを投与。一方、対照群では導入療法としてプラチナ製剤+ペメトレキセド(用量はアテゾリズマブ群と同量)による化学療法を4サイクルまたは6サイクル施行後に、維持療法としてペメトレキセド(同)を投与した。

 複合主要評価項目は研究グループの評価によるPFSと全生存期間(OS)で、副次評価項目は研究グループの評価による客観的奏効率(ORR)、奏効期間、患者報告アウトカム(PRO)、安全性とした。データのカットオフ日は2018年5月22日とし、追跡期間は中央値で14.8カ月、最短で11.7カ月だった。

 ベースライン時の患者背景については、年齢の中央値がアテゾリズマブ群64.0歳(31~85歳)、対照群63.0歳(33~83歳)で、65歳未満がそれぞれ52.4%、58.4%を占めていた。アジア系の割合はそれぞれ24.3%、22.7%、喫煙歴がない患者の割合はそれぞれ12.7%、10.5%で、プラチナ製剤としてカルボプラチンを使用した患者の割合は60.6%、61.1%だった。この他、PD-L1が陽性の患者の割合はそれぞれ50.0%、55.4%、陽性患者のうち低発現は35.8%、43.5%、高発現は14.2%、11.9%だった。なお、Papadimitrakopoulou氏によると、同試験の対象に占めるアジア系の割合は23~24%と、これまでに報告されている他の免疫チェックポイント阻害薬に関する試験と比べ高いという。

12カ月時点のPFS率は対照群のほぼ2倍に

 解析の結果、PFSの中央値は対照群の5.2カ月(95%CI 4.3~5.6カ月)に対しアテゾリズマブ群では7.6カ月(同6.6~8.5カ月)と長く、病勢進行リスクが40%低下していた〔ハザード比(HR)0.60、95%CI 0.49~0.72、P<0.0001、〕。PFS率は6カ月時点で対照群40.9%、アテゾリズマブ群59.1%、12カ月時点にはそれぞれ17.0%、33.7%で、Papadimitrakopoulou氏は「12カ月時点のアテゾリズマブ群におけるPFS率は対照群のほぼ2倍だった」と強調した。

図.無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間

(WCLC 2018発表データを基に編集部作成)

 また、主要なサブグループ解析において一貫して対照群に対するアテゾリズマブ群のPFSの改善が認められ、特に女性(HR 0.51、95%CI 0.36~0.71)、アジア系(同0.42、0.28~0.63)、喫煙歴がない患者(同0.49、0.28~0.87)、肝転移がない患者(同0.56、0.46~0.69)で顕著な病勢進行リスクの低下が認められた。

 一方、OSについてはイベント数が不十分でありデータがimmatureであったが、中間解析時点では、OS中央値は対照群の13.6カ月(95%CI 11.4~15.5カ月)に対してアテゾリズマブ群では18.1カ月(同13.0カ月~評価不能)と約4.5カ月の群間差が認められた。この点について、同氏は「アテゾリズマブ群において、数値上の改善(numerical improvement)が認められた」と説明した。なお、対照群に対する死亡のHRは0.81(同0.64~1.03、P=0.0797)で、12カ月時点のOS率は対照群で55.4%、アテゾリズマブ群で59.6%だった。

 この他、PD-L1の発現状態により分類して実施した探索的解析では、全てのサブグループで対照群と比べアテゾリズマブ群におけるPFSの改善が認められたが、PD-L1の発現レベルが高くなるほどアテゾリズマブのベネフィットも高まる傾向が認められたという。

 安全性に関しては、「全般的な有害事象の発現率は両群で同程度であった」と同氏は説明。その上で、グレード3/4の有害事象および治療に関連した重篤な有害事象(SAE)の発現率は、対照群と比べてアテゾリズマブ群で高かったことなどを示した(グレード3/4:39% vs. 54%、SAE:16% vs. 33%)。

 今回の結果について、同氏は「IMpower132では、intention-to-treat(ITT)解析の対象となった集団において、プラチナ製剤+ペメトレキセドにアテゾリズマブを追加することでPFSの中央値が改善し、同様のベネフィットは主要なサブグループでも一貫して認められた。また、同治療の安全性プロファイルは管理可能なものであり、新たな安全性の問題は認められなかった」と結論した。なお、OSに関しては今回は中間解析についての報告であったが、最終解析の結果は来年(2019年)上旬に発表できる見込みだという。

(WCLC 2018取材班)

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