リムパーザ、アビラテロンとの併用で 転移性去勢抵抗性前立腺がんの病勢進行を遅延【アストラゼネカ】

リムパーザは、前立腺がんにおいて標準治療との併用で活性を示した唯一の PARP 阻害剤アストラゼネカと MSD、Study 08 の結果を 2018 年 ASCO 年次総会で発表、the Lancet Oncology にも同時掲載

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])およびメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケ
ニルワース、以下「メルク(北米以外では MSD)」)は、2018 年 6 月 4 日、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の現在の標準治療であるアビラテロン単剤療法との比較で、アビラテロンとリムパーザ(オラパリブ)の併用療法が画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)中央値で臨床的に有意な延長を示すデータを発表しました。現在、リムパーザはアストラゼネカとメルク両社が共同で開発・商業化しています。

相同組み換え修復(HRR)遺伝子変異の有無に関わらず、タキサン系化学療法による前治療歴のある mCRPC 患者さんを対象とするリムパーザとアビラテロンの併用療法(71 例)とアビラテロン単剤療法(71 例)を比較した無作為化、二重盲検、多施設共同第 II 相試験である Study 08 の結果は、2018 年 6 月 1 日から 5 日イリノイ州シカゴで開催された 2018年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会の”Best of ASCO プレゼンテーション“ として発表されたとともに、The Lancet Oncology のオンライン版に同時掲載されました。本試験の主要評価項目は rPFS で、副次的評価項目は、二次進行あるいは死亡までの期間(PFS2)、全生存期間(OS)および健康関連 QOL(クオリティオブライフ)でした。

英国マンチェスターにある Christie NHS Foundation Trust の泌尿器腫瘍学教授である NoelClarke は次のように述べました。「本結果は、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんにおいて、PARP 阻害剤の使用がアビラテロンとの併用において改善を示した初のデータであり、HRR 遺伝子変異の状態とは無関係である可能性があります。本データは当該併用療法が本進行がんに対する有望な新たな治療選択肢となる可能性を示しています」。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーである Sean Bohen は次のように述べました。「過去の試験では、HRR 遺伝子変異を有する転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんを対象としたリムパーザ単剤療法における奏効率の改善が確認されていました。今回のStudy 08 の併用データでは、新たに、変異状況の有無を問わず転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんがアビラテロンとの併用にけるリムパーザのベネフィットを享受できる可能性が示されました」。

MSD リサーチラボラトリーズのシニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーの Roy Baynes は「転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんは治療選択肢が限られたハイリスク患者集団であり、大きなアンメットメディカルニーズが存在します。リムパーザは前立腺がんの標準治療との併用で活性を示した最初の PARP 阻害剤です。Study 08 のデータは、リムパーザの臨床開発における新たな重要なマイルストーンとなります」と述べています。
rPFS 中央値は、リムパーザとアビラテロンの併用療法群では 13.8 カ月に対しアビラテロン単剤群では 8.2 カ月でした(HR:ハザード比 0.65; 95% CI:95% 信頼性区間 0.44-0.97;p=0.034)。PFS2 中央値に関しては、23.3 カ月に対し 18.5 カ月でした(HR 0.79; 95% CI0.51–1.21)。OS 中央値は、併用療法群の 22.7 カ月に対しアビラテロン単剤群では 20.9 カ月でした(HR 0.91; 95% CI 0.60–1.38)。事前に計画された探索的なサブグループ解析により、HRR 遺伝子変異状況を問わず、患者さんにおける rPFS の延長が示されました(表 1参照)。なお、Study 08 では PFS2 および OS のサブグループ解析に対して検出力を設定していませんでした。

リムパーザとアビラテロン併用療法の安全性プロファイルは概ね管理可能であり、アビラテロン単剤と比較して、クオリティオブライフへの悪影響も見られませんでした。グレード 3以上の有害事象、重篤な有害事象および有害事象による治療中止はアビラテロン単剤群に比べて併用療法群においてその発生率は高率でした(それぞれ、54% 対 28%; 34% 対 18%;30% 対 10%)。併用療法群において最も頻度が高かったグレード 3 以上の AE は、貧血(21%)、肺炎(6%)、心筋梗塞(6%)でした。重篤な心血管イベントは併用療法群では7例に、アビラテロン群では1例にみられました。Study 08 に加え、リムパーザの HRR 遺伝子変異を有する mCRPC の単剤療法としての可能性を模索する他の試験が進行中です。それらには、mCRPC 患者さんを対象としてリムパーザ単剤療法をエンザルタミドまたはアビラテロンと比較検討する PROfoundが含まれます。また、HRR 遺伝子変異の有無を問わず、mCRPC に対するリムパーザの併用療法を検討する追加試験も計画されています。リムパーザは BRCA 遺伝子変異陽性または ATM 遺伝子変異陽性の mCRPC の治療薬として、2016 年に米国食品医薬品局より画期的治療薬指定を受けています。

リムパーザは、再発卵巣がんおよび転移乳がんの治療薬として米国で承認されたファーストインクラスの PARP 阻害剤であり、20,000 人以上の患者さんの治療に用いられました。リムパーザは広範な臨床開発プログラムを有し、アストラゼネカおよびメルクは、前立腺がんおよび膵がんを含む、複数のがん種においてより多くの患者さんに1日も早くリムパーザをお届けするため協力し取り組んでいます。
※転移去勢抵抗性前立腺がんにおけるアビラテロンとリムパーザの併用療法は本邦未承認です。
以上

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Study 08について
Study 08は、HRR遺伝子変異の有無を問わず、142例の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんを対象としリムパーザ錠(300mg 1 日 2 回)とアビラテロン錠(250mg 4 錠 1 日 1 回)(71例)の有効性と安全性をプラセボとアビラテロン錠(250mg 4 錠 1 日 1 回)(71例)との比較において評価する無作為化、二重盲検、多施設共同国際第II相試験です。プレドニソンまたはプレドニソロン(5mg 1 日 2 回)が両治療群において投与されました。Study 08の患者さんは過去にmCRPCの治療薬としてドセタキセルの投与を受けていました。試験登録前に、これらの患者さんは 2 回以下の化学療法による治療を受けていました。本試験の主要評価項目は画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)(無作為化から画像診断に基づく病勢進行または死亡までの期間)でした。rPFSは、mCRPCの臨床試験において、特に軟部組織や骨といった前立腺がんの増殖がよく見られる部位における病勢進行に対する治療の影響に焦点を当てた臨床的に有意義な評価項目としての使用が増えています。
副次的評価項目には二次進行または死亡までの期間、全生存期間および健康関連クオリティオブライフが含まれます。

転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)について
前立腺がんは男性において 2 番目に多いがんであり、2015 年には世界中で推定 160 万人が新たに診断されており、高い死亡率を伴います。i 前立腺がんの発症は多くの場合テストステロンを含むアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンにより促進されます。ii 男性ホルモンの作用を阻止するアンドロゲン枯渇療法の使用にもかかわらず、前立腺がんが増殖し身体の他の部位に転移した場合、mCRPC と呼びます。ii進行前立腺がん患者さんの約 10-20%は 5 年以内で去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に進行し、このうち少なくとも 84%は CPRC の診断時に転移を有しています。iii CRPC の診断時に転移のない患者さんのうち、33%は 2 年以内に転移を発現します。iii mCRPC 患者さんに対する入手可能な治療法は増加していますが、5 年生存率はわずか 28%です。iii

リムパーザについて
リムパーザ (オラパリブ)は、ファーストインクラスのポリ ADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、DNA 損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的
に作用し、細胞死を誘導する最初の標的治療薬です。特に、複数の in vitro 試験によりリムパーザによる細胞毒性は PARP 酵素活性の阻害および PARP-DNA 複合体の生成を増加させる可能性があり、その結果 DNA 損傷およびがん細胞死が生じることが示されています。

リムパーザは DDR 経路に異常をきたした一連のがん種において開発が進行中であり、アストラゼネカの業界を主導するがん細胞の DNA 損傷応答(DDR)メカニズムを標的とする新薬候補のポートフォリオの基盤となる化合物です。アストラゼネカと MSD のがん領域における戦略的提携につい2017 年 7 月、アストラゼネカと北米以外では MSD として知られる米国ニュージャージー州ケニルワースに本社を置くメルク・アンド・カンパニーは、アストラゼネカの世界初のPARP 阻害剤であるリムパーザおよび現在開発中である MEK 阻害剤セルメチニブの複数のがん種における共同開発・商業化に関するがん領域における世界的な戦略的提携を発表しました。共同で、両社はリムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として開発します。また、単独で、各社は各々の PD-L1 および PD-1 薬との併用療法としてリムパーザおよびセルメチニブを開発します。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014 年から 2020 年までの期間に発売を予定する少なくとも 6 つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てた Oncology をアストラゼネカの主な成長の原動力として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma 社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。
アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA 損傷応答および抗体薬物複合体の 4 つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の 3 つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、自己免疫、ニューロサイエンスおよび感染症の領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100 カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

本資料はアストラゼネカ英国本社が 2018 年 6 月 4 日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

お問い合わせ先
アストラゼネカ株式会社
東京都千代田区丸の内 1-8-3 丸の内トラストタワー本館
コーポレート・アフェアーズ統括本部:倉橋/佐藤
JPN.Ex.Comm@astrazeneca.com
Tel: 03-6268-2800/080-4659-9602(倉橋)/070-1464-6274(佐藤)

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