褐色細胞腫に初の治療薬承認、FDA

 米食品医薬品局(FDA)は、12歳以上の切除不能な褐色細胞腫(または傍神経節腫)患者に対する初の治療薬としてiobenguane ヨウ素(I)131(商品名Azedra)を承認したと発表した。褐色細胞腫(副腎腫瘍)、傍神経節腫(副腎外腫瘍)は交感神経系の細胞に発現するまれな神経内分泌腫瘍。原発腫瘍部位から転移しやすく、全身の抗がん治療が必要とされる。

25%で降圧薬減量を継続、22%で腫瘍縮小

 褐色細胞腫、傍神経節腫は手術や局所療法などで治療が可能であるが、高血圧などの関連症状を経験した患者に対する効果的な全身治療はない。しかし、iobenguane I131による治療で腫瘍サイズが縮小でき、降圧治療の必要性も減らすことができるようになるという。

 副腎はエピネフリン、ノルエピネフリンなどのストレスホルモンを含むホルモンを産生しているが、褐色細胞腫はこれらホルモンの産生を増大させ、高血圧、頭痛、過敏性、発汗、心拍数増加、悪心、嘔吐、体重減少、衰弱、胸痛、不安などの症状を引き起こす。

 iobenguane I131の有効性は、68例を対象とした単一群オープンラベル臨床試験によって示された。主要評価項目である降圧薬50%以上減量の6カ月以上継続を達成できた患者は17例(25%)、二次評価項目である全体の腫瘍縮小が達成できたのは15例(22%)であった。

 同試験で多く報告された重篤な副作用は白血球低値(リンパ球減少)、異常な白血球数減少(好中球減少)、血小板数減少、疲労、貧血、吐き気、めまい、高血圧、嘔吐などであった。同薬は放射性治療薬であるため、放射線被曝に関する警告が含まれ、治療においては使用を最小限にすべきである。放射線被曝のリスクは小児の方が高い。

 iobenguane I131の投与を受けた患者で骨髄異形成症候群および急性白血病が認められたため、このリスクについては引き続き研究が必要であるとされている。また、同薬は発達中の胎児に影響を及ぼす可能性があるため、女性には胎児に対する潜在的なリスクについてアドバイスし、同薬投与後には有効な避妊薬を使用すべきであるという。

 なお、iobenguane I131はFDAによって優先承認審査、画期的治療薬、優先審査が認められ、さらにオーファンドラッグに指定されている。

(慶野 永)

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