ニボルマブ+イピリムマブでメラノーマの脳転移縮小

第II相試験CheckMate-204

 無症候性で未治療の脳転移を有するメラノーマ患者において、抗PD-1抗体のニボルマブと抗CTLA-4抗体のイピリムマブの併用療法は、臨床的に意義のある効果を示すことがオープンラベル多施設共同単群第Ⅱ相試験CheckMate-204で示された。米・University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのHussein A. Tawbi氏らがN Engl J Med2018;379:722-730)で発表した。

未治療の脳転移が対象

 Ⅳ期メラノーマ患者では、約40%が診断時に脳転移を有し、最終的に75%で脳転移が生じる。Ⅳ期メラノーマに対する治療は近年著しく進歩しているが、脳転移を有する患者の全生存期間(OS)は4~5カ月と不良である。

 未治療の脳転移を有するメラノーマに対し、免疫チェックポイント(CP)阻害薬および分子標的薬は頭蓋内で抗腫瘍効果を示すことが報告されている。一方、進行メラノーマを対象とした第Ⅱ/Ⅲ相試験では、免疫CP阻害薬ニボルマブとイピリムマブの併用はイピリムマブ単独の効果を上回ることが示されたが、これらの試験では未治療の脳転移患者は除外されていた。

 そこでTawbi氏らは、無症候性で未治療の脳転移を有するメラノーマ患者を対象にニボルマブとイピリムマブの併用療法の有効性と安全性を評価する第Ⅱ相CheckMate-204試験を行った。

 2015年2月~17年6月に米国の28施設で登録された1個以上の測定可能な脳転移〔Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)分類でPerformance Status(PS)0/1、腫瘍径0.5~3.0cm〕を有する神経症状を発症していない無症候性のメラノーマ患者101例を対象に、ニボルマブ1mg/kgとイピリムマブ3mg/kgを3週ごとに4回投与後、ニボルマブ3mg/kgを2週ごとに投与した。組み入れ基準は脳転移に対する放射線療法が未施行で、試験開始前の10日以内にグルココルチコイドの全身投与を受けていないこととした。治療は最長24カ月、または増悪、忍容不能な毒性の発現、同意の撤回まで継続した。

 主要評価項目は頭蓋内の臨床的有効率(CBR)で、治療開始後6カ月以上の安定(SD)、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)が得られた患者の割合と定義した。

頭蓋内CBRは57%、奏効は持続的

 2017年11月15日まで6カ月以上追跡できた94例(追跡期間中央値14.0カ月)における頭蓋内CBRは57%(95%CI 47~68%)。奏効は52例(CR 24例、PR 28例)で得られ、奏効率は55%(95%CI 45~66%)だった。6カ月以上のSDは2例で得られた。

 検討の結果、頭蓋内での効果は迅速かつ持続的に得られることが示された。奏効が得られた52例のうち、47例(90%)は解析時点でも奏効が持続し、奏効までの期間の中央値は2.3カ月(95%CI 1.1~10.8カ月)。また、追跡期間中央値6カ月の時点で、頭蓋内病変の無増悪生存率は64.2%だった。

 頭蓋外の病変で、CRが得られた患者は7例のみだったが、PRは40例で得られ、奏効率は50%(95%CI 40~60%)、CBRは56%(同46~67%)だった。頭蓋外病変で奏効が得られた47例中43例は解析時点でも奏効が持続していた。

 治療に関連するグレード3/4の有害事象は患者の55%で発現し、最も多かったのはALT値またはAST値の上昇(それぞれ16%、15%)で、中枢神経系の有害事象は7%に認められた。1例が免疫関連の心筋炎で死亡した。安全性プロファイルは、脳転移がないメラノーマ患者に対するニボルマブとイピリムマブの併用療法の報告と同等であった。

 今回の結果について、Tawbi氏らは「頭蓋内外の病変を適切にコントロールする上で、免疫療法から開始することの有効性を示すエビデンスとなる」と述べ、脳転移に対する現在の標準治療の再考につながるとしている。

(森下紀代美)

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