卵巣がん

論文紹介

医師注目

低用量アスピリンの常用による卵巣がん予防効果で新たな報告

2018-11-20
JAMA Oncology

Association of Analgesic Use With Risk of Ovarian Cancer in the Nurses' Health Studies.

JAMA Oncol 2018年10月4日オンライン版

 今年(2018年)9月、オーストラリアおよび米国の健康な高齢者を対象に、低用量アスピリンの連日投与によるリスクと有益性を検討するランダム化比較試験ASPREEの結果から、その有益性が認められなかったことがN Engl J Medに3本の論文(健康生存期間心血管疾患と出血リスク全死亡率に関する論文、全て2018年9月16日オンライン版)で発表された(関連記事:「健康な高齢者に低用量アスピリンの効果なし」)。同報告では、健康な高齢者に低用量のアスピリンを連日投与しても、認知症や身体障害を伴わない健康生存期間の延長はもたらされず、全死亡、特にがん関連死が増加することが示された。


 そうした中で、新たな知見として、看護師健康調査(Nurses' Health Study)における9万3,664人を対象にした2つの前向きコホート研究結果から、低用量アスピリンの常用による卵巣がん予防の効果が報告された。同研究では、低用量アスピリンを常用していた女性では、常用していない女性に比べて、卵巣がんの罹患リスクが23%減少していた (ハザード比0.77、95%CI 0.61~0.96)としている。ただし、標準量のアスピリンの常用については、卵巣がん予防効果は示されなかった(ハザード比1.19、95%CI 1.00~1.41)。



(東邦大学大学院消化器外科学講座・臨床腫瘍学講座教授の島田英昭先生からのご紹介論文)