咽頭がん

論文紹介

HPV陽性中咽頭がんの化学放射線療法においてセツキシマブはシスプラチンに対する非劣性を示せず:多施設共同ランダム化比較試験NRG Oncology RTOG 1016

2019-02-28
Lancet
推薦記事 伊丹 純 氏 国立がん研究センター中央病院 放射線治療科長

Radiotherapy plus cetuximab or cisplatin in human papillomavirus-positive oropharyngeal cancer (NRG Oncology RTOG 1016): a randomised, multicentre, non-inferiority trial

Lancet 2019; 393: 40-50

 低リスクHPV陽性中咽頭がん患者を放射線+シスプラチン群424例と放射線+セツキシマブ群425例にランダムに割り付け、シスプラチンに対するセツキシマブの非劣性を検討。その結果、毒性は同等であったが、5年全生存率はシスプラチン群の84.6%(95%CI 80.6〜88.6)に対してセツキシマブ群では77.9%(73.4〜82.5)と低く、非劣性基準を満たさなかった〔HR 1.45、片側95%CI 1.94(上限)、非劣性P= 0.5056、片側 log -rank P=0.0163〕。5年無増悪生存率についてもシスプラチン群の78.4%(73.8〜83.0)に対してセツキシマブ群では67.3%(62.4〜72.2)と有意に低かった〔HR 1.72(1.29〜2.29)、P=0.0002〕。

■関連記事:低リスクHPV陽性中咽頭がんの化学放射線療法において2年全生存率はシスプラチンがセツキシマブを上回る:オープンラベルランダム化第Ⅲ相比較試験De-ESCALaTE HPV


■推薦コメント
同じ結果の論文2本。少なくともHPV陽性の中咽頭がんに関しては、シスプラチン併用の方がセツキシマブより良いという報告。RTOGからも英国からも同様な報告。HPV陰性の普通の頭頚部扁平上皮がんに対してどうなのかはまだ分からない。

(伊丹 純 氏)


追加履歴(2019年2月28日):伊丹純先生のご推奨コメントを追加掲載いたしました