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プレスリリース

口腔粘膜炎と腎機能障害に関係があることを解明

2019-01-04
岡山大学

発表のポイント
・口腔粘膜炎はがん治療の副作用によって口の中で発生する、強い痛みを伴う病気です。
・腎機能障害がある状態でがん治療を行うと、重度の口腔粘膜炎が発生することが分かりました。
・がん治療前に腎機能の改善をしておくことで、口腔粘膜炎による苦痛の軽減が期待できます。

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学の森田学教授と宮井久敬助教らのグループは、同大耳鼻咽喉・頭頸部外科学、形成再建外科学、岡山大学病院頭頸部がんセンターとの共同研究で、腎機能障害がある頸部がん患者に放射線治療や抗がん剤治療を行うと、重度の口腔粘膜炎が発生するリスクが高まることを解明しました。腎機能障害により、電解質バランス異常や抗がん剤の尿への排泄が不調となることが原因の1つではないかと考えられます。この研究成果は、12月8日にアメリカの科学雑誌「In vivo」(オンライン版)に掲載されました。

 がん治療の副作用で患者に口腔粘膜炎が発生してしまうと、口の中の痛みがひどくて食事ができず、低栄養状態となります。重度の場合は、がん治療そのものが中止になることもあります。口腔粘膜炎の予防は、入院中の生活の質の向上だけでなく、がん治療の完遂にとっても大変重要です。

 がん治療を行う前に腎機能障害の検査や治療を行うことで、患者のがん治療の遂行を邪魔する口腔粘膜炎の発生を食い止める可能性があります。この成果によって、がん治療の治療予後に貢献できることが期待できます。