プレスリリース

ALK融合遺伝子陽性肺がんに対する薬剤耐性変異予測と、 既存薬を活用した耐性克服法の発見 ~第3世代ALK阻害薬耐性の克服を目指す~

2019-02-06
がん研究会

 がん研究会の片山量平(がん研究会 がん化学療法センター 基礎研究部 部長)、岡田康太郎(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 大学院博士課程)らの研究グループは、ALK陽性肺がんにおいて、アレクチニブ‐ロルラチニブ逐次治療後の耐性機構として新規ALK重複変異体を複数発見し、また、1塩基変異のみでロルラチニブ耐性を示すALK-L1256F変異を発見しました。これら耐性変異体の多くに対しては、既に臨床で使用されてきたALK阻害薬が再び効くようになること、一方でALK阻害薬全てに耐性を示した重複変異の1つは他のチロシンキナーゼABLを標的とする薬剤で克服が可能であることを実験的に証明しました。さらに京都大学の奥野恭史 (京都大学大学院医学研究科 教授)、荒木望嗣(京都大学大学院医学研究科 准教授)らの研究グループとの共同研究により、スーパーコンピュータ「京」を用いて従来の耐性変異や今回発見された重複変異と各ALK阻害薬との結合自由エネルギーをMP-CAFEE法により算出したところ、実験的なデータとシミュレーションで求めた結合親和性に高い相関があることを確認し、in silicoにおける耐性変異予測の可能性を示すことに成功しました。
 本研究の成果は、Lancet誌とCell誌が共同でサポートするオープンアクセス誌EBioMedicineに、2019年1月18日に公開されました。