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プレスリリース

酵母実験で明らかになった抗がんメカニズム

2019-02-05
沖縄技術大学院大学

 DNA鎖は、靴ひもや長いネックレスのように、絡み合ってほどけなくなることがあります。細胞分裂の際は、DNAが絡まることがないように、特殊な酵素が長くて複雑なDNAを絶え間なく仕分けしているのです。しかし、がん細胞ではこの安全装置が活発に働きすぎることで、がんが広がってしまいます。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究者たちは、この酵素が分裂酵母内でどう働いているのか、そしてヒトのがんでこの酵素の働きを弱めるにはどうすればよいかという難題の一端を明らかにしました。

 2019年1月11日にJournal of Biological Chemistry誌で発表された本研究では、がん治療の標的として知られているⅡ型DNAトポイソメラーゼ(略称トポⅡ)に着目しました。トポⅡは細胞分裂の過程で変化していくDNA鎖構造をうまく認識しながら、DNAのねじれや絡まりを解消しています。がん細胞では トポⅡの活動が増強され、それにより腫瘍の増殖が加速します。トポⅡを標的とする抗がん剤はこの酵素の機能を抑制し、がん細胞の複製とがんの広がりを阻害するのです。

 しかし、トポⅡ阻害薬は十分な制ガン効果をもたらすとは必ずしもいえません。阻害薬を効果的に使うためには、トポⅡの働き方についての基礎的なメカニズムの解明が必要でした。