前立腺がん

論文紹介

Darolutamideは非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の無転移生存期間を有意に延長:プラセボ対照第Ⅲ相試験

2019-02-15
NEJM
推薦記事 赤倉 功一郎 氏 JCHO東京新宿メディカルセンター 副院長・泌尿器科部長

Darolutamide in Nonmetastatic, Castration-Resistant Prostate Cancer


 N Engl J Med 2019年2月14日オンライン版


 同試験の対象は、PSA値の倍加時間が10カ月以下で転移リスクが高いと判断されるが、転移が確認できない(非転移性)去勢抵抗性前立腺がん。アンドロゲン除去療法(ADT)に加えて新規抗アンドロゲン薬darolutamideを投与する群とADT+プラセボ群で比較した結果、ADT+darolutamide群で無転移生存期間の有意な延長が認められた。無転移生存期間中央値は、ADT+プラセボ群の18.4カ月に対し、ADT+darolutamide群で40.4カ月だった(ハザード比0.41、95%CI 0.34~0.50、P<0.001)。


 ASCO-GU 2019で発表されたのと同時にNEJMに掲載された。




■推薦コメント

 非転移性(Nonmetastatic)の去勢抵抗性前立腺がんに対する抗アンドロゲン薬については、既にエンザルタミドおよびアパルタミドの無転移生存期間に対する有効性が示されている。
 エンザルタミドについては、国内では適応症が「去勢抵抗性前立腺がん」となっており、転移の有無に関係なく投与できることになっている。一方、米国では同薬の適応は当初「転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」であったが、昨年(2018年)7月に米・FDAは非転移性の去勢抵抗性前立腺がんへの同薬の適応拡大承認を行った。
 アパルタミドについては、米国では昨年2月に非転移性去勢抵抗性前立腺がんを適応として承認されており、日本でも非転移性去勢抵抗性前立腺がんを適応として承認申請中である。
 今回、この二剤に加えて、新規抗アンドロゲン薬としてdarolutamideが登場したことになる。Darolutamideは、非臨床モデルでは血液脳関門の通過が最小限であることが示されていることから、痙攣の副作用が少ないことが期待されている。また、エンザルタミドでは副作用として食欲不振や倦怠感が一定の割合で認められるが、こうした副作用の発現頻度もdarolutamideでは異なる可能性もある。
 ただし、エンザルタミド、アパルタミド、darolutamideの三剤の効果は非常に似たものであると考えられる。そのため、これらの薬剤をどのように使い分けるべきかは現時点では非常に難しい問題である。

(赤倉 功一郎)