非小細胞肺がん

論文紹介

医師注目

医学的手術不能Ⅰ期NSCLCへの2つの体幹部定位放射線療法スケジュールの比較:第Ⅱ相RTOG 0915の長期成績

2019-05-03
Int J Radiat Oncol Biol Phys
推薦記事 伊丹 純 氏 国立がん研究センター中央病院 放射線治療科長

Long-term Follow-up on NRG Oncology RTOG 0915 (NCCTG N0927): A Randomized Phase 2 Study Comparing 2 Stereotactic Body Radiation Therapy Schedules for Medically Inoperable Patients With Stage I Peripheral Non-Small Cell Lung Cancer.

Int J Radiat Oncol Biol Phys 2019; 103: 1077-1084

 対象は、生検で末梢性T1/T2 N0M0非小細胞肺がん(NSCLC)と診断され、医学的な理由で手術不能とされた84例。定位放射線治療のスケジュールとして1回34Gy(39例)と48Gy/4回(45例)が比較された。主要評価は、1年時毒性発現率であった。
 追跡期間中央値4.0年の結果、グレード3以上の毒性発現率は、1回34Gy群で2.6%、48Gy/4回群で11.1%であった。
 1回34Gy群、48Gy/4回群でそれぞれ、生存期間中央値は4.1年、4.6年、5年原発腫瘍再発率は10.6%(95%CI 3.3~23.1%)、6.8%(同1.7~16.9%)、全生存率は29.6%(同16.2~44.4%)、41.1%(同26.6~55.1%)、無増悪生存率は19.1%(同8.5~33.0%)、33.3%(同20.2~47.0%)であった。また孤立性あるいは初期再発の一部としての再発が1回34Gy群で6例(37.5%)、48Gy/4回群で7例(41.2%)に認められた。

■推奨コメント
 RTOG0915は1回34Gyと48Gy/4回の定位照射の有害事象をプライマリーエンドポイントとして見た第Ⅱ相試験。どうしてこの論文をというと個人的思い入れで申し訳ないのですが、この34Gyの線量は私が国際医療研究センターにいた時の論文を根拠としているからです。結局両アームで有害事象も局所制御率も差がないということですが、個人的には1回照射はもうこりごりです。そもそも90年代の加速器で線量率はFlattening Filter Free(FFF)ほどでないし、呼吸同期で照射していたのでさらに時間がかかり、1時間以上かかることばかりでした。おまけに1回だけなのでGeographic missの心配もあり、1回照射はもうやりません。しかし、線量を調節して計画標的体積(PTV)を絞り込めば1回線量でも同様の結果がみられるという放射線生物学的には非常に興味深い結果です。

(伊丹純氏)