胃がん

悪性リンパ腫

論文紹介

医師注目

胃MALTリンパ腫への強度変調放射線治療、線量下げても予後良好

2019-05-04
Int J Radiat Oncol Biol Phys
推薦記事 伊丹 純 氏 国立がん研究センター中央病院 放射線治療科長

Outcomes After Reduced-Dose Intensity Modulated Radiation Therapy for Gastric Mucosa-Associated Lymphoid Tissue (MALT) Lymphoma

Int J Radiat Oncol Biol Phys 2019; 104: 447-455

 2007~2017年に診断された胃MALTリンパ腫で、強度変調放射線療法(IMRT)を用いた関連部位の放射線治療を受けた患者32例(年齢中央値は58歳)のレビュー。線量の中央値は30Gyで、21例(66%)では30~36Gy、11例(34%)では24Gyであった。治療に対する反応は放射線治療後の内視鏡生検に基づいて行われたが、全例で完全奏効を認めた。30Gy照射後では、胃および十二指腸でそれぞれ3.6年時、4.5年時に再発が認められた。
 追跡期間中央値は55.2カ月で、24Gy群では28.7カ月に対し、30Gy以上群では73.8カ月と有意(P<0.001)に長かった。2年時の局所治療成功率(Freedom from local treatment failure; FFLTF)および治療成功率(freedom from treatment failure; FFTF)、全生存率(OS)はそれぞれ100%、100%、97%だった。低線量(24Gy)とFFLTF(P=0.819)、FFTF(P=0.819)、OS(P=0.469)に相関は認められなかった。


■推奨コメント
 胃のMALTリンパ腫でピロリ菌除菌後にも残存したり、ピロリ菌陰性例では放射線治療が用いられる。標準的には全胃に30Gy/15-20分割であるが、24Gyに落としても問題ないとの報告。MALTリンパ腫は反応性がよく、我々はすでに20Gy照射も行って問題を見ていない。将来的にはさらに線量を下げることができると思っている。しかし、欧米からの報告を読むとき気を付けねばならないのは、とにかく彼らのMALTリンパ腫は大きい! 日本は素晴らしい内視鏡技術により粘膜のわずかな変化の段階で診断される。まったく病気のサイズが異なるのである。このような状況を鑑みると、さらに線量を下げる研究は我が国からぜひとも発信すべきである。最終的には2Gy2回程度の治療の臨床研究を目指すべきである。

(伊丹純氏)