悪性リンパ腫

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長くやっているとまた昔が戻ってくる:早期ホジキンリンパ腫における中間PETによるリスク層別化

2019-06-20
Journal of Clinical Oncology
推薦記事 伊丹 純 氏 国立がん研究センター中央病院 放射線治療科長

Positron emission tomography score has greater prognostic significance than pretreatment risk stratifiation in early-stage Hodgkin Lymphoma in the UK RAPID study.

J Clin Oncol 2019年5月21日オンライン版

  IA期~ IIA期 のホジキンリンパ腫と診断された患者に,ドキソルビシン,ブレオマイシン,ビンブラスチン,ダカルバジン(ABVD)による3サイクルの化学療法後,PET を施行。PET陽性の143例に対しては、ABVD 療法 4 サイクル目および放射線療法を行った。
 またPET陰性の419例に対しては、病変部位に限局した照射を行う群(208例)と,それ以上の治療を行わない群(211例)にランダムに割り付け。ホジキンリンパ腫特異的無イベント生存率(EFS)におけるPETスコアと治療前のリスク因子との関連を検討した。
 その結果、ベースライン時の層別化において、高いPETスコアと調整前(P<0.001)および調整後(P=0.01)の劣ったEFSとの間に関連を認めた。化学療法後のPET スコア 5の患者のみが、病勢進行リスクの増加またはホジキンリンパ腫関連の死亡リスクの増加と関連した〔スコア3に対するハザード比(HR) 9.4(95%CI 2.8〜31.3)、スコア4に対するHR 6.7(同1.4~31.7)〕。さらにPET スコアが5の患者は、無増悪生存期間および全生存期間が不良だった。

■推奨コメント
 英国のRAPIDトライアルは3サイクルのABVD後にPETを行っており、その結果で治療のReductionを決めている。放射線治療をどうしてもOmitしたいのだ。ただやはり放射線治療を施行しないとPFSは落ちている。現在のISRTを用いる小照射野小線量ならOSが二次がんや心血管障害で大きく落ちることはないと思うのだが、血液内科医は本当に放射線治療がきらいです。それはともかく3サイクルのABVD後のPETのDS4-5(RAPIDではDSは使っていない)に相当する集積を示すものは予後が悪く、それは治療前のリスク分類より大きな意義を持つという。FavorableでもUnfavorableでもDS4-5で陽性なものはPFSが悪いという。

 Response-Adaptiveというのは実は40年くらいまえに頭頚部がんの放射線治療でやられていた。40Gy照射してResponseが悪いものはOPにというので結構Reasonableだったのだが、いつのまにか、ほとんどやられていない。でもいま再びHPV陽性の中咽頭がんで、導入化学療法の効果で放射線治療線量を変えるResponse Adaptiveが始まりつつある。

 長くやっているとまた昔が戻ってくる。

(伊丹純氏)



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