前立腺がん

論文紹介

医師注目

ハイリスク限局性前立腺がんにおけるアビラテロンを用いた術前補助化学療法の検討【European Urology】

2019-06-25
European Urology
推薦記事 赤倉 功一郎 氏 JCHO東京新宿メディカルセンター 副院長・泌尿器科部長

Clinical and Biological Characterisation of Localised High-risk Prostate Cancer: Results of a Randomised Preoperative Study of a Luteinising Hormone-releasing Hormone Agonist with or Without Abiraterone Acetate plus Prednisone.

 ハイリスク限局性前立腺がん(LHRPC)における最適な治療戦略は確立されていないが、術前のアンドロゲン生合成阻害が転帰を改善する可能性がある。
 本研究はLHRPC患者65例において、術前補助化学療法における黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト(LHRHa)リュープロレリン単独投与と、リュープロレリンとアンドロゲン生合成阻害薬アビラテロンおよびprednisoneの併用投与を検討した単施設ランダム化比較試験。
 その結果、病理学的臓器限局がんの割合に差はなかった(P=0.27)が、腫瘍体積は併用投与群で有意に低く(P≦0.001)、4年以上の追跡調査により腫瘍の上皮成分の体積の減少は生化学的無再発期間(bRFS)の改善と有意に相関していることが示された(P=0.0014)。また、単独群に比べ、併用群では腫瘍細胞の増殖とアンドロゲンシグナル伝達の発現が低かった。グルココルチコイド受容体(GR)の過剰発現は併用群における残存がんと有意に相関し(P=0.018)、核内アンドロゲン受容体スプライスバリアント7(AR-V7)陽性は両群において残存がんと有意に相関していた。

Eur Urol 2019年6月5日オンライン版

■推薦コメント

 ハイリスク限局性前立腺がんに対する前立腺全摘除術前の術前補助化学療法に関しては、通常のホルモン療法(ADT)では治療成績の向上が得られないことが知られてます。本論文は、最近開発された新規ホルモン治療薬を用いたネオアジュバント療法についての報告です。少数例ですが、期待が持てる結果が示されました。

(赤倉功一郎氏)



修正履歴(2019年6月25日):要約文の表現を一部修正いたしました。