前立腺がん

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医師注目

前立腺がん再発診断におけるPSMAのPET-CTで高い検出率が示される【Lancet Oncology】

2019-08-10
Lancet Oncology
推薦記事 赤倉 功一郎 氏 JCHO東京新宿メディカルセンター 副院長・泌尿器科部長

18F-fluciclovine PET-CT and 68Ga-PSMA-11 PET-CT in patients with early biochemical recurrence after prostatectomy: a prospective, single-centre, single-arm, comparative imaging trial.

Lancet Oncol 2019年7月30日オンライン版



 根治的前立腺切除後の生化学的再発例の発見のための画像検査としては、米National Comprehensive Cancer Network(NCCN)のガイドラインでは18F-fluciclovine PET-CTの使用を検討してもよいとしている一方で、欧州泌尿器学会のガイドラインでは前立腺特異的膜抗原(PSMA)PET-CTを推奨している。これまで両者をhead-to-headで比較した検討は認められないことから、今回Calais J氏らは、PSA低値(<2.0ng/mL)の患者において、根治的前立腺切除後の前立腺がん生化学的再発例の発見のための画像検査として、18F-fluciclovine PET-CTとPSMA PET-CTを比較検討した。
 今回の検討は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で行われた単施設単群の前向き画像比較試験。対象は、 18歳以上の根治的前立腺摘除術後の前立腺がん生化学的再発例で、①PSA値が0.2~2.0ng/mL②Karnofsky performance status(KPS)が50以上③サルベージ療法の治療歴がない-などの適格基準を満たした患者である。対象例は、15日以内に参照検査(reference test) としての18F-fluciclovine PET-CTCTと試験検査(index test)としてのPSMA PET-CTを受けた。主要評価項目は、前立腺がんの生化学再発例の検出率だった。
 2018年2月26日~9月20日にスクリーニングされた143例のうち、50例が登録された。追跡期間中央値は8カ月だった。
 試験の結果、主要評価項目は達成された。すなわち、前立腺がんの生化学再発例の検出率は、PSMA PET-CTでは 56%(95%CI 41~70%、50例中28例) であったのに対し、18F-fluciclovine PET-CTCTでは26%(同15~40%、50例中13例)と有意に低かった〔オッズ比(OR)4.8、95%CI 1.6~19.2%、P=0.0026〕。また骨盤リンパ節領域についてのサブ解析でも、前立腺がんの生化学再発例の検出率は、PSMA PET-CTでは 30%(95%CI 18~45%、50例中15例) であったのに対し、18F-fluciclovine PET-CTCTでは8%(同2~19%、50例中4例)と有意に低かった(OR 12.0、95%CI 1.8~513.0、P=0.0034)。骨盤外病変に関するサブ解析でも、PSMA PET-CTでは16%(95%CI 7~29%、50例中8例) であったのに対し、18F-fluciclovine PET-CTCTでは0%(同0~6%、50例中0例)であった(ORは推定不能、P=0.0078)。
 これらの結果より、Calais J氏らは「根治的前立腺摘除術後でPSA低値(2ng/mL未満)の前立腺がんおよび生化学的再発を有する患者の治療管理の決定において、高い検出率を示すPSMAのPET/CTは考慮されるべき選択肢である。ただし、PSMAのPET/CTの高い検出率が腫瘍学的転帰の改善につながるかどうかについては、さらに検証が必要だ」と結論している。


■推薦コメント

 今後、わが国においても、PSMAを用いた放射線内用療法の導入が検討されるものと推測されます。本報告はその前段階として、PSMAのPET/CTの有用性を検証した研究です。

(赤倉功一郎氏)