小細胞肺がん

論文紹介

小細胞肺がんへのオラパリブ+テモゾロミドで奏効率42%、効果予測バイオマーカーの可能性を示唆【Cancer Discovery】

2019-08-19
Cancer Discovery

Combination Olaparib and Temozolomide in Relapsed Small Cell Lung Cancer

 小細胞肺がんは、肺がん患者のおよそ15%を占め、転移しやすく、予後不良である。未治療の小細胞肺がん患者に対しては殺細胞性抗がん薬が奏効しやすいが、再発も多いため、多くの場合その他の治療選択肢が必要となる。
 本検討では、治療歴のある小細胞肺がん患者を対象に、PARP阻害薬オラパリブとテモゾロミド併用に関する第Ⅰ/Ⅱ相試験を行った。第Ⅰ相試験の用量漸増試験を参考に、第Ⅱ相試験では1サイクル21日で、最初の1~7日にオラパリブ200mgを1日2回投与とテモゾロミド75mg/m2を1日1回投与するスケジュールで50例に治療を行った。その結果、全奏効率は41.7%、無増悪生存期間中央値は4.2カ月、全生存期間中央値は8.5カ月であった。
 また対象患者からの患者由来異種移植片(PDX)でオラパリブ+テモゾロミド併用療法の臨床的効果が確認されたことから、共試験として、治療効果を予測する分子学的マーカーを特定するための動物モデルを用いた臨床研究が行われた。その結果、4つの炎症反応に関与する遺伝子( CEACAM1TNFSF10TGIF1OAS1)の特定の分子マーカーにより、オラパリブ+テモゾロミド併用療法の感受性モデルと耐性モデルを区別することが示された。さらに炎症反応関連遺伝子の低発現が、小細胞肺がんの一次治療における標準的化学療法(エトポシド/プラチナ製剤)の耐性と関与していることも示された。これらの結果は、小細胞肺がんの有望な新しい治療戦略の可能性、および奏効が期待できる腫瘍の分子学的特徴を示唆しているという。