前立腺がん

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前立腺がんオリゴメタに対する局所RTの有効性を示唆:ジョンズ・ホプキンス大が自験例をレビュー 【Int J Radiat Oncol Biol Phys】

2019-08-20
Int J Radiat Oncol Biol Phys
推薦記事 赤倉 功一郎 氏 JCHO東京新宿メディカルセンター 副院長・泌尿器科部長

Radiotherapy In The Definitive Management Of Oligometastatic Prostate Cancer: The Johns Hopkins Experience.

Int J Radiat Oncol Biol Phys 2019年8月13日オンライン版




 前立腺がんオリゴメタ(OPCa)に対する放射線治療(RT)においては、転移指向性治療(metastasis directed therapy; MDT)を巡り急速なパラダイムシフトが認められる。今回、ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らは、自施設におけるOPCa例のレビューを行い、生物学的無増悪生存期間(bPFS、中央値)、次介入までの期間(TTNI、中央値)、有害事象について検討した。、
 対象は、転移巣に対する局所RTを受けたOPCa患者156例(354転移巣)。追跡期間(中央値)は24.6カ月であった。
 検討の結果、有害事象の記録を有する150例のうち53例(35%)がグレード1、8例(5%)がグレード2の有害事象を経験していた。グレード3の有害事象は認められず、遅発毒性も13例にとどまっていた。24カ月時点の局所再発率は7.4%、全コホートにおけるbPFSは12.9カ月、1年時点のbPFS率は52%であった。多変量解析の結果、bPFS延長と関連する因子として、RTと時間的に近いアンドロゲン除去療法(Peri-RT ADT)、低い肉眼的腫瘍体積(GTV)、ホルモン感受性が挙げられた。TTNI(再RT含む)は21.6カ月であった。
 ホルモン感受性OPCaのbPFSは去勢抵抗性OPCaに比べて有意に長く(17.2カ月 vs.7.2カ月、P<0.0001)、24カ月時点の局所再発の累積罹患率もホルモン感受性OPCaの方が有意に低かった(4.8% vs.12.1%、P=0.034)。
 Peri-RT ADTを1コース(期間中央値4.3カ月)受けたホルモン感受性OPCa28例のみの解析を行ったところ、追跡期間33.5カ月の時点でbPFSは未到達、24カ月時点のbPFS率は77%であった。


■推薦コメント

 前立腺癌オリゴメタ症例に対する局所治療が注目されています。本論文はJohns Hopkinsからの報告で、肯定的な見解が示されています。ただし、当然のことながら去勢抵抗性癌での効果は限定的のようです。

(赤倉功一郎氏)