前立腺がん

論文紹介

医師注目

従来検査陰性のハイリスクnmCRPC患者に対するPSMA-PET遠隔転移検出率は55%【Clin Cancer Res】

2019-09-18
Clin Cancer Res
推薦記事 赤倉 功一郎 氏 JCHO東京新宿メディカルセンター 副院長・泌尿器科部長

Prostate-Specific Membrane Antigen Ligand Positron-Emission Tomography in Men with Nonmetastatic Castration-Resistant Prostate Cancer.

Clin Cancer Res 2019年9月11日オンライン版

 アンドロゲン除去療法(ADT)に加えて全身性にアンドロゲンシグナル経路を遮断すると、従来の画像検査で転移が検出されない転移陰性去勢抵抗性前立腺癌(nmCRPC)患者でも臨床転帰が改善することが示されている。本研究では、ハイリスクnmCRPC患者に対する前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的としたポジトロン放出断層撮影(PSMA-PET)の有用性について検討された。
 対象は、前立腺特異抗原(PSA)値>2ng/mLで高転移リスク(PSAダブリングタイム ≦10カ月あるいはグリーソンスコア ≧8)のnmCRPC患者200例。骨盤疾患と遠隔転移(M1)の検出率を後ろ向きに検討した。
 解析の結果、200例中196例が陽性であった。全体で44%が骨盤疾患で、そのうち24%が局所再発であった。従来の画像検査で陰性であったにも関わらず、55%に遠隔転移が検出された。PSA値≧5ng/mL、pN1の所属リンパ節転移、一次あるいは救済放射線療法が遠隔転移に対する非依存的な予測因子であった(すべてP<0.05)。

■推薦コメント

 いわゆる転移陰性去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)の治療に関して、新規治療薬が発売され注目を集めています。これまでの無作為化比較試験では、転移の確認には骨シンチおよびCTによる通常の画像検査が行われていました。本研究では、いわゆるnmCRPC患者におけるPSMA-PETの有用性が検討されました。PET-CTによりある程度の頻度で新たに転移が検出されるとは予測していましたが、55%の陽性率は驚きの結果です。高リスクnmCRPCはすでに微小転移が存在する可能性が高いと推測され、今後の治療選択に役立つ情報と考えられます。

(赤倉功一郎氏)