乳腺

論文紹介

乳がんの死亡率、男性と女性のどちらのリスクが高い?【JAMA Oncol】

2019-10-01
JAMA Oncology

Overall Mortality After Diagnosis of Breast Cancer in Men vs Women

JAMA Oncology 2019年9月19日オンライン版

 乳がんにおける生存率の性差は報告されているが、性差に関連する根本的な要因は解明されていない。本検討は、乳がん患者の死亡率を性別で比較し、その格差に関連する要因を定量的に評価することを目的に行われた。
 解析には、2004~14年に乳がんとの診断を受け、National Cancer Databaseに登録された患者181万6,733例のデータが用いられた。主要評価項目は全生存率(OS)、副次評価項目は3年および5年死亡率であった。性別の内訳は、男性1万6,025例(平均年齢63.3歳)と女性180万708例(平均年齢59.9歳)であった。
 解析の結果、女性患者に比べ、男性患者では全てのがんステージで死亡率が高かった。男性患者のOSは45.8% (95% CI 49.5~54.0、P <0 .001)、3年生存率は86.4%(95% CI 85.9~87.0、P <0 .001)、5年生存率は 77.6% (95% CI 76.8~78.3、P <0 .001)であった。女性のOSは60.4%(95% CI 58.7~62.0、P <0 .001)、3年生存率は 91.7% (95% CI 91.7~91.8、P <0 .001)、5年生存率は86.4% (95% CI 86.4~86.5、P <0 .001)であった。臨床的特徴と不十分な処置が男性の超過死亡率の63.3%と関連していた。この2つの因子により診断後3年間(66.0%)および全ての早期がん(ステージ1が30.5%、ステージ2が13.6%)の超過死亡が説明できたが、「性差」は患者背景、治療、年齢などで調整後も全死亡率(調整後HR 1.19、95% CI 1.16-1.23)、3年死亡率(調整HR  1.15、95% CI 1.10-1.21)、5年死亡率(調整HR 1.19、95% CI 1.14~1.23) と有意に関連する因子であった。