前立腺がん

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転移性ホルモン感受性前立腺がんに対するアパルタミド投与はQOLを悪化させず:第Ⅲ相試験TITAN【Lancet Oncol】

2019-10-09
Lancet Oncology
推薦記事 赤倉功一郎 氏 JCHO 東京新宿メディカルセンター 泌尿器科 副院長・部長

Health-related quality of life after apalutamide treatment in patients with metastatic castration-sensitive prostate cancer (TITAN): a randomised, placebo-controlled, phase 3 study

Lancet Oncology 2019 Sep 27

 プラセボ対照ランダム化比較第Ⅲ相試験TITANでは、転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)患者1,052例をアパルタミドとアンドロゲン除去療法(ADT)を併用する525例とプラセボとADTを併用する527例にランダムに割り付けて検討。OS、PFSの有意な改善についてはすでに報告されており、本報告は健康関連QOL(HRQOL)についての報告である。
 簡易疼痛調査票(BPI-SF)のスコアはプラセボ群の1.00 (IQR 0〜2.86) に対してアパルタミド群は1.14 (IQR 0〜3.17)、簡易倦怠感尺度(BFI)のスコアはそれぞれ1.43 (IQR 0.14〜3.14)、 1.29(IQR 0〜3.29)といずれも差は無かった。
 最も強い疼痛に至るまでの期間の中央値はプラセボ群の11.99カ月(95%CI 8.28〜18.46)に対してアパルタミド群は19.09カ月(95%CI 11.04〜未到達)であった〔HR 0.89(95%CI 0.75〜1.06)、P=0.20〕。前立腺がん特異的質問表であるFACT-Pや、HRQOLの尺度であるEQ-5D-5Lのいずれにおいても、両群においてHRQOLが保持されていることが示された。同結果の詳細は欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2019、9月27日〜10月1日、バルセロナ)で発表された。
 なお、アパルタミドは「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果として国内承認されているが、2019年9月17日にはFDAからmHSPCに対する適応が追加承認された。

■推奨コメント
 わが国でも、新規ホルモン薬アパルタミドが「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん」に対して認可発売されました。本報告は「転移のあるホルモン感受性前立腺がん」を対象とした臨床試験の結果です。これらの進行前立腺がんにおいてはさまざまな薬剤が登場し、今後は効果や有害事象、QOLへの影響などが比較されていくと思われます。

(赤倉功一郎)


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