全領域

膵臓がん

ガイドライン

連載

ガイドラインは盲信すべきか

2019-11-01
Medical Tribune ウェブ

神戸大学微生物感染症学講座感染治療学分野教授 岩田健太郎

研究の背景:ガイドラインでは「膵頭十二指腸切除術にはセファゾリン」、盲信すべきか

「ガイドラインに書いてあるので」は、医学生なら許している。研修医なら、「なぜガイドラインに書いてあるのかな」と根拠を問う。後期研修医(フェロー)レベルなら、「ガイドラインに書いてあるけど、本当にそうすべきなのかな」と問うている。

 科学の敵は思考停止だ。「ガイドラインに書いてある」は一種の思考停止である。「ガイドラインに書いてあることの意味」を問わなければ、知的営為とはいえない。

 診療行為は知的営為だと思っている。しかし、多くの医者は、診療行為を「習慣の産物」だと勘違いしている。昔、某講演会で、座長に「研究には厳しい研鑽や指導が必要だ。でも臨床は、やっているうちにできるようになる」と言われて絶句したことがある。もちろん、検査をオーダーしたり、薬を処方することは「やっているうちにできるようになる」だろう。しかし、それを診療行為と呼ぶかは微妙だ。ネズミに餌をあげたり、試験管を振ったり、統計ソフトのボタンを押すこと自体を「研究」とは呼ばないだろう。