前立腺がん

ガイドライン

論文紹介

ASCOが限局性前立腺がんの分子バイオマーカーに関するガイドラインを公表【JCO】

推薦記事 赤倉功一郎 氏 JCHO 東京新宿メディカルセンター 泌尿器科 副院長・部長

Molecular Biomarkers in Localized Prostate Cancer:ASCO Guideline

J Clin Oncol 2019年12月12日オンライン版

 ASCOは、限局性前立腺がんを対象とした積極的サーベイランス、臨床的に重大な病態の同定、切除術後の補助あるいはサルベージ放射線療法の選択や、MRI画像との相対評価といった緊急を要する臨床的疑問(CQ)に答えるための分子マーカーに関するガイドラインを公表。ASCOの集学的専門委員会のほか、欧州泌尿器学会、米国泌尿器学会、米国病理学会から参加したパネリストは、2013年1月~2019年1月に報告された限局性前立腺がんの分子バイオマーカーに関する論文のシステマチックレビューを行った。
 レビューの結果、前立腺がん組織ベースの分子バイオマーカー(最高グリーソンパターンで最大サイズでの評価)データは、標準的な臨床パラメーターによるリスク層別化を改善する可能性があることが分かった。しかし専門委員会は、分子アッセイの結果はその状態の中でのみの評価に留めるべきで、ルーチンの臨床因子として考慮することは推奨されないとしている。また、前向き研究が行われていない、あるいは長期アウトカム(QOL、治療の必要性、生存など)の改善効果が確認されていない分子アッセイをルーチンに行うことは推奨されないとしている。他の推奨についてはオリジナルサイトを参照。

■推奨コメント
前立腺がん組織を用いた分子検索について、有用性は認められたものの、現時点ではルーチンな使用は推奨されていません。しかし、将来はこれらの手法のうちいくつかが臨床の現場で広く用いられるようになると推測されます。さらなる研究成果が待たれます。

(赤倉功一郎)

2019-12-20
Journal of Clinical Oncology