膵臓がん

論文紹介

膵がんへの精密医療でOSが有意に延長:「あなたの腫瘍を知ろう(KYT)」プログラム【Lancet Oncol】

Overall Survival in Patients With Pancreatic Cancer Receiving Matched Therapies Following Molecular Profiling: A Retrospective Analysis of the Know Your Tumor Registry Trial

Lancet Oncol 2020年3月2日オンライン版

 本検討では、「あなたの腫瘍を知ろう(The Know Your Tumor;KYT)」プログラムに登録され、分子検査結果を受け取り、生検で膵がんと診断された18歳以上の患者の治療歴と長期生存期間の関連が後ろ向きに評価された。 主要評価項目は全生存期間(OS)中央値で、患者登録のタイミングが多様であったため、病勢進行を最初に認めた時点から死亡までの期間に基づいて評価した。OSの中央値は、遺伝子変異が認められ、かつ有用な治療薬が見つかったmatched therapy群と、有用な治療薬が見つからなかったunmatched therapies群、actionable変異が認められなかった群をそれぞれ比較した。
 1,856例がKYTプログラムに登録され、最終的に追跡可能であったのは677例で、そのうちmatched therapy群は46例、unmatched therapies群は143例であった。追跡期間の中央値は383日(四分位範囲 214~588)で、この2群のOS中央値を比較すると、matched therapy群で有意に長かった〔2.58 年(95%CI 2.39~未到達) vs. 1.51年(同1.33~1.87)、HR 0.42(95%CI 0.26~0.68)、P=0.0004〕。また、matched therapy群ではactionable変異が認められなかった群(488例)と比較しても、OS中央値は有意に長かった 〔2.58年(95%CI 2.39~not reached)vs. 1.32年(1.25~1.47)、HR 0.34(95%CI 0.22~0.53)、P<0.0001)。
 一方、unmatched therapies群とactionable変異が認められなかった群のOS中央値を比較すると、有意な差は認められなかった〔HR 0.82(95%CI 0.64~1.04)、P=0.10〕。

2020-03-10
Lancet Oncology