膵臓がん

プレスリリース

疾患に関連する血液中の酵素活性異常を「1分子」レベルで見分ける技術を開発【東京大学】

 東京大学大学院薬学系研究科の坂本眞伍氏、特任助教の小松徹氏、教授の浦野泰照氏、理化学研究所開拓研究本部渡邉分子生理学研究室主任研究員の渡邉力也氏、東京大学大学院工学系研究科教授の野地博行氏、名古屋市立大学大学院薬学系研究科教授の中川秀彦宇治氏、国立がん研究センター研究所部門長の本田一文氏らの研究グループは、血液中の酵素を「1分子」レベルで区別して検出する新たな方法論を開発し、疾患と関わる酵素活性異常を超高感度に検出する病態診断法の可能性を示した。

 生体内には、数千種類を超える酵素が存在し、これらの中にはさまざまな疾患の発生と関連して活性異常が起こるものもあります。血液中の特定の酵素活性の異常を知ることは、疾患の有無を判断する際の指標(バイオマーカー)として広く用いられています。

ポイント
・血液中に含まれるさまざまな酵素を「1分子」レベルで区別して検出する方法論を開発
・酵素活性を高感度に検出する有機小分子蛍光プローブ技術と、1分子レベルの高精度計測を可能とするマイクロチップ技術を融合させることで、これまでの方法論では検出が困難であった血液中のごく微少量の疾患関連酵素を超高感度に検出することを実現
・膵臓がん患者血漿を用いた解析によって、疾患の進行に伴い血液中に上昇する新たなバイオマーカー候補タンパク質の発見に成功。さらなる疾患バイオマーカー候補の発見や、これに基づく新たな疾患診断法の確立につながることが期待される

 本研究結果はSci Adv 2020年3月11日オンライン版に掲載された。

2020-03-12
国立がん研究センター