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BRCAness、SLFN11高発現、RB1欠損状態のトリプルネガティブ乳がんではイリノテカンの奏効を予測できる【Sci Transl Med】

推薦記事 田辺真彦 氏 東京大学大学院 乳腺内分泌外科 准教授・診療科長

BRCAness, SLFN11, and RB1 loss predict response to topoisomerase I inhibitors in triple-negative breast cancers

Sci Transl Med 2020年2月19日オンライン版

 相同組換え修復機能欠損状態Homologous recombination repair deficiency(HRD)/BRCAnessを呈するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)では、トポイソメラーゼⅠ阻害薬が奏効する可能性がある。本研究ではTNBC患者の腫瘍組織移植モデル(PDX)を用いてトポイソメラーゼI阻害薬イリノテカンの反応性を検討した。また、Schlafen family member 11(SLFN11)とretinoblastoma transcriptional corepressor 1(RB1)の発現による治療効果の差、およびイリノテカンとATR阻害薬の組み合わせ、イリノテカン以外のトポイソメラーゼⅠ阻害薬の効果を調べた。BRCAness、SLFN11高発現、RB1欠損状態のトリプルネガティブ乳がんでイリノテカンはじめトポイソメラーゼⅠ阻害薬の奏効が期待される結果であった。


■推薦コメント

がんゲノムパネル検査の結果に基づく治療選択において直結する分子標的治療薬や臨床試験がない場合には、乳がん治療で保険承認されいているイリノテカンを有効活用する(UGT1A1の遺伝子多型に注意を要する)ことを考慮したい。

(田辺真彦氏)

2020-03-21
Sci Transl Med