腎細胞がん

プレスリリース

好中球を介した腎がん肺転移メカニズムの解明【東京大学】

 東京大学大学院医学系研究科特任研究員の西田純氏(当時)、准教授の江帾正悟氏、教授の宮園浩平氏らの研究グループは、腎同所性移植法を用いて進行腎がんを再現し、がん細胞の性質を調べることで、腎がん肺転移の分子メカニズムの解明を試行。その結果、進行腎がんのがん細胞は、ケモカインを強力に産生することで炎症を引き起こし、活性化された好中球が肺転移の成立に重要な働きをしていることを明らかにsた。また、ケモカインの産生にはスーパーエンハンサーを介したエピゲノム制御機構が関与することを見出し、同時に、スーパーエンハンサーの活性を減弱させるBET阻害剤を用いることで、マウスにおいて腎がん肺転移が抑制されることを発見し、有用性を実証した。

ポイント
・進行腎がんでは、腎がん細胞は腫瘍内在性炎症を引き起こして好中球を活性化し、好中球の助けを得て肺に転移することが明らかになった
・腫瘍内在性炎症のメカニズムとして、スーパーエンハンサー形成などのエピゲノム制御機構により、ケモカインが強力に産生されていることが一因となることを見出した
・BET阻害剤によりスーパーエンハンサーの活性を減弱させることで、腎がん細胞の肺転移が抑制されたことから、腎がんの新たな分子標的治療薬として期待される

 本研究結果はNat Cell Bio 2020年3月23日オンライン版に掲載された。

2020-03-24
東京大学