前立腺がん

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PSMA-PET/CTは感度・特異度が良好で被曝線量も少ない:ランダム化比較試験【Lancet】

推薦記事 赤倉功一郎 氏 JCHO 東京新宿メディカルセンター 泌尿器科 副院長・部長

Prostate-specific membrane antigen PET-CT in patients with high-risk prostate cancer before curative-intent surgery or radiotherapy (proPSMA): a prospective, randomised, multi-centre study

Lancet 2020年3月20日オンライン版

 高リスク限局性前立腺がんの病期分類にはCTと骨シンチグラフィが用いられているが、感度は不十分である。本研究は前立腺特異膜抗原(PSMA)を用いたPET/CT(PSMA-PET/CT)の有用性評価を目的に、高リスク前立腺がん患者をCTと骨シンチによる画像診断を行う従来群(152例)とPSMA-PET/CTによる画像診断を行うPSMA群(150例)にランダムに割り付けて検討。なお、3つ以上の遠隔転移が確認されない限り患者はクロスオーバーされた。
 検討の結果、PSMA-PET/CTは従来の画像診断と比べて精度が高く(92% vs. 65%、P<0.0001)、感度(85% vs. 38%)と特異度(98% vs. 91%)も高かった。経過観察中の295例のうち87例(30%)が骨盤リンパ節または遠隔転移を有していたが、サブグループ解析の結果、受信者動作特性(ROC)曲線解析における曲線下面積(AUC)は骨盤リンパ節転移例では91% vs. 59%、遠隔転移例では95% vs. 74%とPSMA-PET/CTが優れていた。被曝線量はPSMA-PET/CTの方が少なかった(19.2mSv vs. 8.4mSv、P<0.001)。
 PSMA-PET/CTのκ係数(評価者間の評価結果の一致性)は骨盤リンパ節転移で0.87、遠隔転移では0.88と高かった。クロスオーバー後に従来の画像診断を受けた136例中7例(5%)、クロスオーバー後にPSMA-PET/CTを受けた146例中39例(27%)で患者管理の変更が行われた。

■監修医師コメント

 高リスク限局性前立腺がんに対する根治療法前の画像診断に関して、従来の方法(CTと骨シンチ)とPSMA-PET/CTを比べたランダム化比較試験の報告です。予想通り、骨盤内リンパ節転移および遠隔転移の診断において、PSMA-PET/CTが感度・特異度に優れていることが示されました。また、被曝線量もPSMA-PET/CTの方が少ない結果でした。わが国では、PSMA-PET/CTの導入はまだ先と思われますが、いずれ、従来の画像診断法に取って代わることも推測されます。

2020-04-02
Lancet