前立腺がん

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BRCA1/2、ATM陽性mCRPC、新規ホルモン療法からオラパリブへの切り替えでOS延長:第Ⅲ相PROfound【NEJM】

推薦記事 赤倉功一郎 氏 JCHO 東京新宿メディカルセンター 泌尿器科 副院長・部長

Olaparib for Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer

N Engl J Med 2020年4月28日オンライン版

 相同組換え修復を含むDNA修復に関与する遺伝子の変異はPARP阻害薬の効果に関連する。非盲検第Ⅲ相ランダム化比較試験PROfoundの対象は、エンザルタミドやアビラテロンなどの新規ホルモン療法(第二世代抗アンドロゲン薬)投与中に進行した転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)で、相同組み換え修復に関連した15遺伝子(BRCA1BRCA2ATMBRIP1BARD1CDK12CHEK1CHEK2FANCLPALB2PPP2R2ARAD51BRAD51CRAD51DRAD54L)のうちのいずれかに変異を有する患者である。コホートAはBRCA1BRCA2ATMに変異を有する症例、コホートBはそれ以外の12遺伝子に変異を有する症例とした。どちらのコホートでも、オラパリブを投与する群と新規ホルモン療法薬(エンザルタミドまたはアビラテロン)を投与する群に2:1にランダムに割り付けられた。

 主要評価項目はコホートAにおける画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)で、新規ホルモン療法薬群(83例)の3.6カ月に対して、オラパリブ群(162例)は7.4カ月と有意に延長し(HR 0.34、95%CI 0.25〜0.47、P<0.001)、全集団(コホートA+B)でもそれぞれ3.5カ月、5.8カ月(HR 0.49、95%CI 0.38〜 0.63、P<0.001)であったことが既にESMO 2019で報告されている。

 コホートAの全生存期間(OS)は新規ホルモン療法薬群の15.1カ月に対してオラパリブ群では18.5カ月と有意に延長していた(HR 0.64、95%CI 0.43〜0.97、P=0.02)。新規ホルモン療法薬群の81%が進行によりオラパリブに切り替えた。グレード3以上の有害事象の発現率はオラパリブ群で高く、主な有害事象はオラパリブ群では貧血、悪心、倦怠感、無力症、新規ホルモン療法薬群では倦怠感、無力症だった。

関連記事:「BRCAまたはATM変異陽性のmCRPCで、新規ホルモン薬投与後の増悪例に対するオラパリブがOS延長:第Ⅲ相PROfound

■監修医師コメント

 去勢抵抗性前立腺がんに対する新規治療薬として期待されていたPARP阻害薬を検証する無作為化比較試験の結果が発表されました。今後、新たな治療選択肢として広く使用されるようになると推測されます。同時に、治療法の決定のために、BRCA1/2などの遺伝子変異の検索が臨床の現場にも登場すると思われます。

(赤倉功一郎氏)

2020-04-30
NEJM