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早期乳がん術後ホルモン療法のアドヒアランス、テキストメッセージによる服薬支援も効果認められず【J Clin Oncol】

推薦記事 尾崎由記範 氏 虎の門病院 臨床腫瘍科

Randomized Trial of Text Messaging to Reduce Early Discontinuation of Adjuvant Aromatase Inhibitor Therapy in Women With Early-Stage Breast Cancer: SWOG S1105

 アロマターゼ阻害薬服用患者におけるアドヒアランス不良は頻繁に認められ、再発リスクを高める一因となっている。本検討では、アロマターゼ阻害薬の服用患者にテキストメッセージによる服用支援がアドヒアランスに与える影響を検討した。
 対象は、アロマターゼ阻害薬を既に30日超服用し、さらに向こう36カ月以上にわたって引き続き服用予定の閉経後の早期乳がん患者724例で、これらをテキストメッセージによる服用支援を行うTM群(348例)と介入しない対照群(354例)に分け、3カ月ごとに両群を調査し、アドヒアランス不良までの時間(主要評価項目)を比較した。アドヒアランス不良の定義は、尿中アロマターゼ阻害薬代謝アッセイが①10ng/mL未満、②検出不可、③標本の未提出―のいずれかを満たす場合とした。なお、テキストメッセージは週2回のペースで送り、内容は服薬アドヒアランスへの障壁を克服するもの、有効性に関するステートメントに関するもの、レコメンデーションを補足するものなどであった。
 解析の結果、アドヒアランス不良は1年時はTM群50.9% vs.対照群57.2%、2年時は同70.4% vs. 74.4%、3年時は同81.9% vs. 85.6%で、両群における3年時の有意な差は認められなかった〔HR 0.89(95%CI 0.76~1.05)、P=0.18〕。感度分析を行っても同様に有意な差は認められなかった。 また、3年時における患者報告によるアドヒアランス不良は同10.4% vs. 10.3%〔HR 1.16(95%CI 0.69~1.98)、P=0.57〕、受診施設による 報告は 21.9% vs. 18.9%〔HR 1.31(95%CI 0.86~2.01) P=0.21〕といずれも有意差はなかった。

■推薦医師コメント

 長期的な術後ホルモン療法のアドヒアランスの問題はあまり解決できておらず、本研究はそれをよく表しているように思います。
 この問題に対する有効な戦略が求められていると考えます。

(尾崎由記範氏)

2020-05-13
Journal of Clinical Oncology