前立腺がん

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PSA検診が非推奨となった米国で引き続き進行前立腺がんが増加【J Natl Cancer Inst】

推薦記事 赤倉功一郎 氏 JCHO 東京新宿メディカルセンター 泌尿器科 副院長・部長

Prostate Cancer Incidence 5 Years After US Preventive Services Task Force Recommendations Against Screening

J Natl Cancer Inst 2020年5月20日オンライン版

 米国予防医学専門委員会(US Preventive Services Task Force:USPSTF)は2008年に75歳以上へのPSA検診を非推奨とし、2012年には非推奨の対象を全年齢に拡大している。その結果、米国における前立腺がん発症率は、非転移性は減少したものの、リンパ節転移および遠隔転移は増加していることがすでに報告されている。
 本報告ではこの傾向が2005〜16年にかけてどのように変化したかを検討。非転移性前立腺がんは、50〜74歳では2007〜16年にかけて毎年6.4%減少し、75歳以上では2007〜13年の間に毎年10.7% (95%CI 6.2~15.0%)ずつ増加した。
 一方、リンパ節転移および遠隔転移前立腺がんはいずれの年齢群も増加しており、75歳以上の遠隔転移前立腺がんの発生率は、 2010〜16年にかけて毎年5.2%増加した。

■監修医師コメント

 USPSTFが2008年および2012年にPSAスクリーニングに反対する声明を発表して以来、アメリカでは進行前立腺がんの割合が増加するようになったことが報告されています。今回の論文では、その傾向が2016年まで続いていることが示されました。いちど崩壊した前立腺がんスクリーニングプログラムの再建は容易ではないと考えられ、わが国の今後の方策を考慮するうえで、大変参考になります。

(赤倉功一郎氏)

2020-05-22
J Natl Cancer Inst