前立腺がん

論文紹介

nmCRPCに対するADT+エンザルタミドはプラセボと比べて死亡リスク27%減少:第Ⅲ相PROSPER【NEJM】

推薦記事 赤倉功一郎 氏 JCHO 東京新宿メディカルセンター 泌尿器科 副院長・部長

Enzalutamide and Survival in Nonmetastatic, Castration-Resistant Prostate Cancer

N Engl J Med 2020; 382: 2197-2206

 非転移性去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)に対するアンドロゲン除去療法(ADT)に対するエンザルタミドの上乗せをプラセボと比較した第Ⅲ相試験PROSPERの最終解析。

 対象は前立腺特異抗原値倍化時間(PSA doubling time;PSA-DT)が10カ月以下でPSA値が2ng/mLのnmCRPC患者1,401例で、主要評価項目である無転移生存期間(MFS)中央値については、プラセボ群(468例)の14.7カ月に対してエンザルタミド群(933例)は36.6カ月と有意に延長したことが既に報告されている(HR 0.29、95%CI、0.24〜0.35、P<0.001)。

 今回の最終解析では、副次評価項目であるOS中央値はプラセボ群の56.3カ月(95%CI 54.4〜63.0カ月)に対してエンザルタミド群は67.0カ月(同64.0カ月〜未到達)と有意に延長した(HR 0.73、同0.61〜0.89、P=0.001)。安全性は以前の報告と同様であり、頻度の高い有害事象は倦怠感、筋骨格イベント、骨折、高血圧、転倒などであった。

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■監修医師コメント

 エンザルタミドは転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対してわが国でも広く用いられています。また、nmCRPCにおいてもMFSを延長することが示されていました。今回の報告で、PSA増加の速いnmCRPCに対して、ADTにエンザルタミドを加えることで、OSも改善することが明らかとなりました。なお、この研究結果はASCO 2020での発表と同時に論文としても公表されました。nmCRPCに対して有用性が検証された治療薬がいくつか登場しています。今後は、適応や治療薬の選択が課題となります。

(赤倉功一郎氏)

2020-06-05
NEJM