前立腺がん

論文紹介

医師注目

前立腺がんへのADT、LH-RHアンタゴニストはアゴニストと比べて死亡・心血管イベントが少ない【Eur Urol】

推薦記事 赤倉功一郎 氏 JCHO 東京新宿メディカルセンター 泌尿器科 副院長・部長

Differential Impact of Gonadotropin-releasing Hormone Antagonist Versus Agonist on Clinical Safety and Oncologic Outcomes on Patients With Metastatic Prostate Cancer: A Meta-analysis of Randomized Controlled Trialsr

Eur Urol 2020年6月27日オンライン版

 8件のランダム化比較試験のメタ解析を用いてLH-RHアンタゴニストおよびアゴニストの安全性を検討。対象は前立腺がん患者2,632例で、LH-RHアンタゴニスト投与例が1,646例、LH-RHアゴニスト投与例は986例であった。

 治療関連有害事象(AE)はLH-RHアンタゴニスト投与例の73%、LH-RHアゴニスト投与例の68%に発生し〔リスク比(RR)1.10、95%CI 1.04〜1.15〕、重篤なAEはそれぞれ9.8%、11%であった(RR 0.92、95%CI 0.73〜1.17)。

 LH-RHアンタゴニスト投与例はLH-RHアゴニスト投与例と比べて心血管イベント(RR 0.52、95%CI 0.34〜0.80)、死亡率(RR 0.48、95%CI 0.26〜0.90、P=0.02)が低く、注射部位反応の割合が有意に高かった(38% vs. 4.8%)。

■監修医師コメント
 前立腺がんに対するアンドロゲン除去療法の方法として、わが国でもLH-RHアゴニストあるいはLH-RHアンタゴニストが使用されています。本報告では、8件のランダム化比較試験のメタアナリシスによって、LH-RHアンタゴニストのほうが全死亡率および心血管系有害事象が優れていることが示されました。ただし、この研究結果は短期間の観察に基づくものであるため、暫定的な結論とみなすべきと考えます。

(赤倉功一郎氏)

2020-07-13
European Urology