前立腺がん

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前立腺全摘後の放射線治療はアジュバントかサルベージか【JAMA Oncol】

推薦記事 赤倉功一郎 氏 JCHO 東京新宿メディカルセンター 泌尿器科 副院長・部長

Assessment of Postprostatectomy Radiotherapy as Adjuvant or Salvage Therapy in Patients With Prostate Cancer:A Systematic Review

JAMA Oncol 2020年8月27日オンライン版

 前立腺がんにおける前立腺全摘後の放射線治療に関し、2014年1月1日〜2019年12月31日に公開された27件の論文のシステマティックレビュー。

・従来の画像診断に加え、PETを用いた画像診断は疾患の検出に有用
・PETは放射線治療に影響を及ぼす可能性があるものの検討は現在進行中。前立腺特異抗原(PSA)低値例での検出能や局所感度などを考慮する必要がある
・ゲノム分類は患者の層別化や放射線治療の潜在的な利益追加の評価に利用可能
・病理学的な有害所見に基づくアジュバント放射線治療は、疾患管理においては有益だが臨床的有用性(生存期間の延長や転移の減少)につながるかは不明
・低リスク例(グリーソンスコア低値だが断端陽性)ではPSAモニタリングが代替手段となりうる(予備データ)
・高リスク例(PSA高値、グリーソンスコア高値、精嚢浸潤、リンパ節転移)では術後放放射線治療に加えてアンドロゲン除去療法と骨盤リンパ節照射の併用を検討する

■監修医師コメント
 前立腺がん前立腺全摘除術後の放射線治療については、アジュバントかサルべージか、ホルモン療法を併用すべきか、骨盤リンパ節への照射は必要かなど、いくつかの問題点が指摘されています。本論文は、これらの問いに対する答えを検証するシステマティックレビューの報告です。予想されたことではありますが、リスクの高い症例には、より早期により強力な(ホルモン療法併用、骨盤リンパ節照射など)治療が有用と考えられます。さらに、治療に伴う有害事象を勘案して治療方針を決めることが奨められます。

(赤倉功一郎氏)

2020-09-01
JAMA Oncology