前立腺がん

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低リスク前立腺がんにおける監視療法の適切な強度は?【JAMA Oncol】

Tailoring Intensity of Active Surveillance for Low-Risk Prostate Cancer Based on Individualized Prediction of Risk Stability

JAMA Oncol 2020年8月27日オンライン版

 低リスク前立腺がんにおける監視療法(Active Surveillance)は標準治療だが、患者の不安や合併症リスクに応じた前立腺特異抗原(PSA)検査や生検が必要であり、治療コスト増大の要因となる。

 本コホート研究では、The Canary Prostate Active Surveillance Study(PASS)に登録された850例および米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の533例の前立腺がん患者を対象に、高リスク(グリーソン分類2以上)患者への進行を予測するマーカーを検証。多変量解析では下記の項目が抽出された。

・陽性コアの最大パーセント〔ハザード比(HR)1.30、95%CI 1.09〜1.56、P=0.004〕
・診断後の生検陰性歴【1 VS. 0】(同0.52、0.38〜0.71、P<0.001)
・診断後の生検陰性歴【2以上 VS. 0】(同0.18、0.08〜0.40、P<0.001)
・診断後の経過期間(同1.62、1.28〜2.05、P<0.001)
・BMI(同1.08、1.05〜1.12、P<0.001)
・前立腺のサイズ(同0.40、0.25〜0.62、P<0.001)
・診断時のPSA値(同1.51、1.15〜1.98、P=0.003)
・PSA動態(同1.46、1.23〜1.73、P<0.001)

 4年後の非進行を予測するROC曲線下面積(AUC)はPASSコホート、UCSFコホートともに0.70で、このモデルにおけるリスクの下位25パーセンタイルにおける陰性適中率は0.88 (95%CI 0.83〜0.94)、下位10パーセンタイルでは0.95 (同0.89〜1.00)であった。

 以上の結果から、監視療法の強度は個人のリスクパラメーターに基づき調整可能で、多くの患者は実質的により少ない検査で安全に監視できることが示唆された。

2020-09-01
JAMA Oncology